チマコッピを目指して

北摂を中心にのんびりサイクリング。まだロードに乗って1年ですが、どっぷりハマってます。

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エキップアサダについて

日本のロードレース界はいつまでたっても今のままなのでしょうか。

くりらじサイクリングポッドキャストのBicycle Newsで今回の件を取り上げています。
35分ぐらいからなので、興味がある方は聴いてみて下さい。



以下はシマノレーシングの栗村コーチが2008年5月に書かれたブログです。

(シマノレーシングリレーブログより)掲載に問題があればすぐに削除します。
~~~~~~~~~
スキル・シマノに加入してから早くも4ヶ月が過ぎました。

パリ・ニースでのローテレリの活躍や、
別府選手のアジア選手権制覇など、
スキル・シマノのシーズン序盤の戦いは、
ある程度の成功を収めたと言っていいでしょう。

スキル・シマノというチームは、
運営が非常にしっかりしたチームであり、
「目玉」となるビッグな選手がいないにも関わらず、
多くのビッグレースの出場権を獲得しています。

ローテレリの「パリ・ニース山岳賞獲得」の際は、
「ツール・ド・フランス出場は確定的!」と報じられたほど。

「選手の質」と「運営費」だけで考えれば、
今は「ツール」に出場できる規模ではないのですが、
運営側の努力で現在の地位を築き上げたと言っていいでしょう。

今後、このチームが「目玉選手」と「お金」を獲得できれば、
近い将来「ツール・ド・フランス出場」は実現するはずです。

さて、そんなスキル・シマノでの今期の私の役割ですが、
チームの露出面の強化と共に、
国内レース界の発展という違った視点での仕事も増えています。

そんな中で、他の業界の人達と接する機会も増えているのですが、
最近、良く質問される「共通の疑問」が目立つようになってきました。

それは、国内レース界の「構造」についてです。

近年、多くの指導者の努力により、
「世界との距離」は格段に縮まってきました。

浅田監督が発表した「2010年ツール・ド・フランス出場」という、
具体的な目標はその中でも強烈なインパクトを持ち、
世界を目指す流れの中心的な存在で日本ロード界を牽引しています。

しかし一方で、浅田監督の苦労も相当なもので、
常に「挫折」とのプレッシャーと戦っているのも事実でしょう。

今の日本レース界には、潤沢な人材と資金が溢れてるわけじゃありません。
皆、努力して世界を目指しているものの、
そのアプローチ方法や、時間軸、また基本的な価値観も異なっています。

これまでも何度か同じようなことを提案してきましたが、
「効率の良い」活動を目指して「役割分担」を明確に整理する必要があると思います。

優れた「器」を持ち、経済的余裕を持ったチームに、
優れた「指導者」と、優れた「選手」が集まって世界を目指す。

中堅チームには、これから世界を目指す若い選手が集まり、
身の丈にあったレベルのレースを走り、切磋琢磨しながらレベルを上げる。

スキル・シマノは、現在、間違いなく国内で最も優れた「器」を持ったチームです。
スキル・シマノに在籍している選手達は、
ある意味で「ドリームチーム」と言っても大袈裟ではないメンバーが在籍し、
今期、別府選手が加入したことで、そのイメージは確固たるものになりました。

しかし、日本中の選手達がココを目指しているかと言えばそんな事もありません。
実際に、スキル・シマノからの誘いを断って他チームへ移籍した選手もいましたし、
同様にオファーを断って、アジアツアーを周っている選手もいます。

もし仮に、プロを目指している「若い外国人選手」に、
日本の有力チームが同時にオファーを出したとするならば、
多くの選手がスキル・シマノを選ぶと思います。

それは、このチームがあらゆるレースへの参加資格を持っているからです。
言い換えれば、力さえあれば最も多くのチャンスを提供してくれるチームなのです。

かつて、アメリカがツール・ド・フランスを目指していた時期に、
「セブンイレブン」というプロチームが結成されました。

そこには、殆どの有力アメリカ人選手が在籍し、
「ナショナルチーム化」したプロチームとしてツールに出場したのです。

現在では、エースを務められるアメリカ人選手が数多く誕生したので、
皆、欧州の各プロチームに在籍していますが、
そんな彼らの大半は、やはり「USポスタル」の卒業生だったりします。

なのに、日本ではいつまで立ってもこの当たり前の構図が出来上がりません。

疑問をぶつけてくる一般業界の人達に対して、
本来説明しなければいけない僕にとっても、これは謎なのです。

5年以上前に「サイクルスポーツ誌」で書いていた連載のなかで、
「皆をまとめて共通の価値観を提供してくれるリーダーの出現」を訴えましたが、
未だにそんな人は僕たちの前に姿を現してくれません。

多くの指導者の目は「今いる選手の育成」ばかりに注がれていて、
「レース界全体の構造」や「指導者の育成=価値観の共有」というところは、
常に蚊帳の外なのです。

現在、最も優れた「監督」と言えばメイタンの浅田監督です。
彼と彼のチーム員がこの数年間で残してきた成績は、
これまでのどの指導者やチームが残したものよりも優れたものです。

それは単に「選手の資質」に頼るのではなく、
安定的に多くの選手を「実際で戦える選手」に育てた実績が証明したものであり、
これに反論するものは殆どいないでしょう。

ただ、彼らはレース活動以外の面で様々なストレスとも戦っています。
勿論、そこからハングリー精神というメンタルが生まれている側面もありますが、
もし、浅田監督が「諦めて」止まってしまったら、全てが思い出となって消えていきます。
誰かが後を継げば、全てがなくなるわけではありませんが、
それでも現状の「浅田監督パーソナル事業」では多くのノウハウが封印されるでしょう。

繰り返しますが、一番優れた「器」に、一番優れた「指導者」、
そして、高い志とフィジカルを持った「最高の選手」たち。
そんなチームが出来るならば僕は追い出されても構いません。

もちろん、この後浅田監督が大口のスポンサーを獲得し、
来期、コンチネンタルプロチームにステップアップして一流プロを雇い、
再来年にツール出場を実現出来るならば、それが一番美しいシナリオだと思います。

ただ、何度も言いますが、一番怖いのは「終わってなくなる」ことです。
浅田監督が引退しても、システムとノウハウが残れば問題ありませんが…

これはあまり表立って語られていませんが、
今年、もしスキル・シマノがツールに出場した場合、
浅田監督が受ける「打撃」は決してゼロではなかったはずです。

もちろん、浅田監督のアプローチはシマノとはまったく異なったものであり、
選手を下から育てて、自力でスポンサーを集め、そしてファンを獲得して、
「正攻法でツールに挑んでいくもの」ですから、それ自体に価値や魅力があります。

しかし、シマノが企業力を使ってチームをツール出場に導いたのならば、
それはそれで「事業」としては正攻法であり「結果」を出したことになります。

この部分でもよく質問されるのが、
「何故、シマノは苦労している浅田監督をバックアップしないのか?」や、
「何故、浅田監督は選手を連れてシマノに加入しないのか」という意見です。

本当にごもっともです。

浅田監督のチームには、自転車とは無縁の企業や、
外資系企業のスポンサーが、多く名を連ねています。

言い換えれば「F1」を目指す日本人オーナーのチームに、
国内自動車メーカーが一切「お金」を出していない「あり得ない」状況と一緒です。

しかし、シマノとしても、正式なオファーを受けていない以上は、
積極的な協力は出来ない状態だと思いますし、
「パーツメーカーとして世界的な規模のチームは持つべきではない」という考え方も、
営利法人企業としてはまったくの正論だとも思います。

ただ、この事は、メディア関係者や、広告代理店の人達と話しをすると、
必ずと言っていいほど質問される内容だったりします。
シマノがバックアップしていないのにどうやって他の企業を説得すればいいのか?と…

まあ、「いろいろあるんすよ~」と毎回話しを濁したりしてますが。

今回この話題を何故書いたかと言えば、
僕なりの「危機感」があるからです。

今の自分の仕事は、欧州レースのTV解説や、スキル・シマノのスタッフ業務です。
これがうまくいってるのならば、それだけやってればいいじゃん…
そうではないです。

目立つところだけ追っていたら、間違いなくこの業界はそのうち減速します。
現在は、まったく「お金にならない」国内レースを盛り上げようとしてるのは、
結果的にそれが、Jスポーツ中継の為にもなるし、スキル・シマノの為にもなるし、
もっと言えば、シマノという企業の利益にも繋がると思うからです。

そして、エキップアサダに危機がもし訪れるならば、
それは、スキル・シマノの危機にも繋がるのです。

今回書いたことは僕自身の意見も含まれてはいますが、
客観的に自転車ロードレース界を見た「他の業界の専門家」の目でもあります。

恐らく、それほど難しい内容ではなくて、
ちょっと考えれば分かる「ごく自然な疑問」なんだと思います。

ファンの声や世論って結構な威力を持っています。
もちろん、間違ってるファンの声や世論もたくさん存在してたりもしますが、
僕も含めて、ずっとこの業界にいる人達の感性も想像以上に萎縮してしまっています。

大きな事をやる前に「ごく自然な疑問」を解消しなくては、
いつまでも無用なストレスと遠回りを繰り返すことになるでしょう。

基本的に僕みたいな「ちっぽけな人間」から見ればみんな凄い人ばかりなんです。
だからこそ、感性をちょいちょいっと修正すれば、
物凄いものが出来上がる気がするんですよね!

みんなで支えあってがんばりましょう

~~~~~

栗村コーチはチームミヤタが解散した時の監督です。
今回のことについては心を痛めているはずです。。。

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